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解雇予告手当の請求手段

未払賃金・未払残業代請求にセクハラ・パワハラ、解雇・退職問題等、労使トラブルはいろいろあります。今日は、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
会社側から労働者側に労働契約の解除をすることを解雇といいますが、解雇は大きく、普通解雇と懲戒解雇に分類することができます。
解雇は会社が一方的に行うものですが、解雇するにもルールがあります。その中の一つに「解雇予告手当」があります。これは、会社が労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前に解雇の予告をするか、解雇の予告をしない場合には、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払わなければならないというものです。予告の日数が30日に満たない場合には、その不足日数分につき平均賃金の支払いが必要とされています。
ということは、即日解雇をする場合には、平均賃金の30日以上の解雇予告手当が必要とういうことになります。解雇のルールといっても、懲戒解雇に該当するような労働者側に責任がある場合には、労働基準監督署の認定を受けることで解雇予告手当の支払いが不要な場合もありますから注意が必要です。
さて、今回は「解雇予告手当の請求手段」について。
労働者が会社から解雇予告手当の支給もないまま即日解雇、労働者としては解雇予告手当を支払ってもらいたいものです。会社に対して、解雇予告手当を請求するものの全く支払われそうにもない。そんな場合に労働者側でやれそうな手段が「少額訴訟」と「支払督促」。
「少額訴訟」とは、60万円以下の金銭の支払いを求める簡易裁判所での訴訟で、原則1回の審理で、即日判決されます。「支払督促」とは、申立人側の申立てのみによって、簡易裁判所書記官が相手方に対して支払いを命じる制度で、少額訴訟と違って、審理がなく、また請求額にも上限がありません。
解雇予告手当の請求の方法のひとつとして、「少額訴訟」と「支払督促」はいかがでしょうか。
但し、次のことに注意も必要です。個人で少額訴訟をしてみたものの、相手方から通常訴訟移行の申出があると、通常の裁判になってしまいます。また、支払督促をしてみたものの、相手方から異議が出ると、これまた通常の裁判になってしまいます。通常の裁判になってしまうと個人での対応が難しいと思います。また、判決で解雇予告手当が認められたとしても、実際に払われるとも限りません。そうなると、判決に基づいて、今度は、「強制執行」の手続きを検討しなくてもいけません。
労働問題等でご悩みのある方、弁護士法人愛知総合法律事務所までご相談ください。

ブログ執筆者:社会保険労務士 原田聡
2018年10月23日
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