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社会保険労務士

テロと労災

弁護士法人愛知総合法律事務所所属の社会保険労務士の原田聡です。
あと1ヶ月もすれば夏休み、のんびりと海外でと思っている人も多いのでは思いますが、気になるのは最近目立つ「テロ」のニュース。そこで今回は、海外勤務中にテロに遭遇した場合の労災保険の扱いについて取り上げてみます。
勤務時間中に仕事が原因でケガ等事故が発生した場合、労働者には労災保険が適用されますが、では海外で仕事中にテロ等によりケガをした場合には労災保険は適用されるのでしょうか。
労災保険では、海外での商談や会議、視察等国内の事業所からの指揮に基づく海外出張と、海外支店等への駐在員であるとか提携先の企業への出向などの海外派遣に分けて考えます。海外出張であれば労災保険の適用があり、海外派遣であれば事前に海外派遣者特別加入の手続きをしておかないと労災保険の適用がありません。
では、海外出張中にテロにより負傷等した場合に労災の給付を受けることができるのでしょうか。この場合、海外への出張先がテロ等治安が悪く、いつなんどきテロがあってもおかしくないようなところであれば、労災事故として認定されるものと思われます。
海外出張等海外で頑張って労働している日本人はたくさんいると思いますが、海外出張されている労働者に対して、会社側がどれだで安全配慮の対策を施せばいいのか。海外出張中にテロ等により最悪の事態でもということになれば、会社は安全配慮義務違反を問われるかもしれません。海外に行かれる前には、十分に安全な国なのかどうかチェックしていかないと怖いこのご時世です。

2016年07月13日
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