弁護士/司法書士/社会保険労務士BLOG

2018年6月

健康保険の高額療養

適用事業所で働く多くの会社員の方は、健康保険の被保険者となり、また奥さんや子供等も被扶養者として健康保険に加入されることが多いと思います。健康保険では、被保険者やその被扶養者の病気やケガ、出産、死亡などの場合に診察や治療などの必要な医療や現金を支給してくれます。病院の会計窓口で治療費を支払額も、医療費の全てを支払っているのではなく、医療費の一部負担金としてその2割(70歳未満の方)を支払っている訳です。
こんにちは、弁護士法人愛知総合法律事務所の原田聡です。今回は、「健康保険の高額療養」について。
さて、健康保険では、この一部負担金には、自己負担限度額が設定されていて、1ヶ月の負担額等が自己負担限度額を超えると、超えた分が高額療養費として払い戻されます。入院等で医療費が高額になる場合は、事前に「健康保険限度額適用認定申請書」をけんぽ協会に申請し、「限度額適用認定証」の交付を受けて、病院に提示すると、1ヶ月間の医療機関ごと、保険薬局ごとの支払いが自己負担限度額までになります。ですので、限度額適用認定証を利用して支払った医療費については、高額療養費の申請がいらなくなるということです。(但し、同一月に転院等で複数受診がある場合は、高額療養費の申請が必要な場合もありますのでご注意を。)高額療養費の制度を使っても、限度額適用認定証の制度を使っても、結果としては同じなのですが、限度額適用認定証を使うと、高額療養費分の一時立て替えがいらなくなるので便利です。
健康保険の加入については、1週間の所定労働時間、または1ヶ月間の所定労働日数が4分の3未満のパートさんであっても、特定適用事業所(※一時的ではなく、6ヶ月以上の期間に渡って、被保険者の数が501人以上となることが見込まれる事業所)に使用され、1週間の所定労働時間が20時間以上で報酬が8万8000円以上で学生ではないなど条件を満たせば被保険者になります。なお、500人以下の会社の場合は、労使で合意すれば、社会保険に加入できますね。
また、ケガなど治療でも、業務中で業務が原因であれば労災保険を使うことになりますので、注意をしないといけませんね。

ブログ執筆者:社会保険労務士 原田聡

2018年06月08日

年次有給休暇の計画的付与

働き方改革の一つとして上げられる「年次有給休暇取得の義務化」。年に10日以上年次有給休暇がある労働者に対して、その内の5日の取得を企業の義務とするとの内容です。同僚に迷惑がかかるし、周りに自分の仕事を頼みづらいなど有給休暇が取りづらい雰囲気のある会社に従業員にとってみれば、大きなメリットで、取得した有給休暇をうまく使うことでそれが仕事に生かせれば企業にとってもメリットかも。こんにちは、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
今回は、「年次有給休暇」について。年次有給休暇とは、労働者の休暇日のうち、会社から賃金が支払われる休暇日のことで、労働基準法第39条に規定されています。企業の立場に立つと、みんなが有給休暇を取り出すと事業がまわっていかなくなるのではと不安に思われているところもあるかと思いますが、有給休暇の取得の義務化ともなれば、なんらかの対策が必要です。

対策の一つ、年次有給休暇の計画的付与制度について。これは、会社側で従業員の有給休暇の取得日を決めてしまう制度です。とはいっても、従業員の有給休暇のうち、5日分は自由に労働者が取得できるようにしておく必要があります。年次有給休暇を計画的に付与する場合、その付与の仕方ですが、従業員を一斉に付与する仕方、グループごとに付与する仕方、個別に付与する仕方があります。年次有給休暇の計画的付与を導入する場合には、就業規則に年次有給休暇の計画的付与について記載をし、従業員の代表者と労使協定の締結が必要となります。

なかなか年次有給休暇が取得しづらい職場の従業員にしてみればある意味計画的に会社が年休を指定してくれることはありがたいかもしれませんし、会社にしても従業員の有給取得日を管理できれば、シフト等を組むときに便利かもしれません。

従業員やその家族の誕生日や結婚記念日など、その人にとって特別な日を会社として有給休暇を取得させてしまうなんていいかもと思います。

ブログ執筆者:社会保険労務士 原田聡

2018年06月05日

外国人の労務管理と在留資格

最近となっては、珍しくもなくなったコンビニエンスストアでの外国人労働者。この前、コンビニでアルバイトする人に、「日本語が上手ですね?どのくらい日本語の勉強をしているのですか?」と聞いてみたところ、「日本語は日本に来てから勉強した。日本に来て2年です」。聞いてびっくり、2年でこんなに外国語がペラペラになるんだ・・・・
こんにちは、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。今回は「外国人労働」について。
外国人が日本に滞在するには、その目的に応じて、在留資格(ビザ)を得る必要があります。在留資格を得たとしても、全ての人が就労できるわけではなく、「就労ビザ」がなければなりません。外国人留学生では、外国人留学生の在留資格は「留学」で入国していますが、実はこの「留学」の在留資格、就労することが認められていません。「留学」の資格で就労するためには、「資格外活動」の許可をとる必要があり、それにより、原則1週28時間までの就労が可能となります。
また、ワーキングホリデーで日本に来られ、アルバイトされる外国の方もいます。
ワーキングホリデーの場合の在留資格は、「特定活動」になります。この特定活動の在留資格の有効期間は、最大で1年で更新はありません。ということは、ワーキングホリデー後もそのまま日本で就労するには、特定活動の在留資格の有効期間が切れるまでに「就労ビザ」に変更をする必要があります。そうせず、そのまま雇用してしまうと、「不法就労」として違法となります。外国人の労務管理の件で、ご相談等ございましたら、愛知総合法律事務所までご相談ください。

ブログ執筆者:社会保険労務士 原田聡

2018年06月01日
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