弁護士/司法書士/社会保険労務士BLOG

2018年2月

副業と社会保険の二重加入

働き方改革の柱の一つである「長時間労働の是正」。そのためには一人一人の生産性の向上が必要だとか。今日は、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
さて、今回のブログは「副業」について。
個人の生産性を高め、長時間労働を是正することは、過労死等労働者の健康問題、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現等良いことだらけのような気がしますが、それは経済が成長しつづけるのが前提のような気がします。経済の成長がなくパイが変わらない状態だと、労働者の賃金はどうなるのでしょうか。
労働時間以外をどのように過ごすのかは個人の自由とはいえ、多くの企業は就業規則で「副業」を禁止していることが多いかと思います。とはいえ、今後の方向性としては、賃金の減少を補うという意味だけでなく、個人について言えば、他の会社で労働することで新たな技術の獲得、企業について言えば、昨今の人材不足に解消等、「副業」するのが当たり前の時代が訪れるかもと思ってしまいます。
会社に入ると一定の条件のもと、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しますが、副業をした場合の社会保険の加入の手続きはどうなるのでしょうか。
結論からいうと、どちらの会社においても社会保険の加入条件を満たしているのであれば、両方の会社の社会保険への加入が必要となります。両方に加入といっても健康保険証は一つですのでご注意を。
 副業で社会保険の被保険者が同時に別の会社でも社会保険に加入することとなった場合には、自身が選択する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険所属選択・二以上事業所勤務届」を提出し、そこに記載された賃金の合計額に基づいてご自身の社会保険料の基礎となる標準報酬月額が決まります。それぞれの会社の社会保険料は、各会社の賃金額に応じて按分した金額になります。
今後、副業が増えると、複数の社会保険に加入する労働者も増えていくかもしれませんね。
労務管理・社会保険等困りごとがありましたら、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士までご相談ください。

2018年02月27日

裁量労働制と残業

ここ最近、何かを話題となっている裁量労働制。働き方改革関連法案の一つとして裁量労働制の対象となる業務の拡大を目指すなか・・・今日は、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。今回のブログは「裁量労働制と残業代」について。
裁量労働制とは、労働時間を実際に労働した時間ではなく、使用者と労働者間であらかじめ決めた時間を労働時間とみなす制度で、対象となる業務を大幅なに労働者の裁量にゆだめる必要がある業務に限定されています。裁量労働制は、対象となる者に応じて、「専門業務型」と「企画業務型」の2種類があります。
裁量労働制の勤務体系では、1日8時間労働とみなした場合、実際の労働時間が6時間と短い場合であっても、12時間と長い場合であっても、その日の労働は8時間としてカウントされます。
裁量労働制だから残業代はないと勘違いをされている方も見えますが、裁量労働制であっても、1日8時間、週40時間を超えた場合は割増賃金が発生する労働基準法の原則は変わりませんので、裁量労働制で、1日のみなし労働時間を9時間と決めたのであれば、8時間を超えた1時間分は残業代が発生することになります。
別の見方をすれば、みなし労働時間を1日8時間以内で決めてしまうと、実際の労働時間に関係なく、その日の労働時間は8時間となりますので、このような場合だと、残業代は発生しないということです。
裁量労働制を実施する場合、みなし労働時間を何時間と設定するのかがとても大事ですね。
労務管理等でお困りごとがございましたら、愛知総合法律事務所までご相談ください。

2018年02月22日

在籍出向

会社から出向を命じられたが、今の会社に戻って来られるのだろうか?今日は、愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。今回のブログは「出向」について。
企業において会社組織の活性化等のため社員に対して出向させることがあります。出向先で学んだスキルを会社で活用したいなどの教育目的な出向もあるかもしれません。
この出向は、大きく分けて「在籍出向」と「転籍出向」の2つに分類され、在籍出向は従業員としての身分はそのままの状態で他社に勤務させることに対し、転籍出向は現在の会社での身分を喪失させて、他社で勤務させるものです。同じ出向といっても、両者は大きくことなるわけです。
在籍出向の法律関係は少し複雑で、出向元・出向先間には出向契約、出向元・出向社員間には雇用契約、出向先・出向社員間には指揮命令関係と部分的な労働契約関係があります。出向を巡るトラブル防止にあたっては、出向元と出向先できちんと出向契約書を作成しておくことが必要です。
具体的には、出向社員に対して適用される出向先での就業規則はどこであるのかをはっきりとさせておくことです。
例えば、出向社員が病気等で長期の休職が必要となった場合、出向先の就業規則の休職規定でみるのか、出向元の就業規則でみるのか、休職期間が満了しても復職できないときは自然退職とするといった内容があると、後々大きな問題になる可能性も考えられますよね。
労務管理等で困りごとがありましたら、弁護士法人愛知総合法律事務所までご相談ください。

2018年02月21日

育児休業給付金の延長

「保育園落ちた日本死ね」。流行語にもなったこの言葉の裏には、働きたくても働くことができないお母さんがたくさんいることを教えてくれます。今日は、愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。今回のブログは「育児休業給付金の延長」について。
子供を保育園入園のためにする保護者の活動を「保活」といいますが、保活をしても入園できない待機児童が日本にはたくさんいるみたいです。ネットで見ると、保育園に入るための選考基準があるらしく、働いている女性と現在働いていない女性だと、働いている女性の子供のほうが入園とか。就職するためにハローワーク等に相談にいくと「子供を保育園に預けたほうが就職しやすい」と言われ、保育園に入園申込みすると「現在働いていないから」との理由でなかなか保育園が決まらない・・・結構、矛盾している世の中だと感じてしまいます。
会社勤めの女性が妊娠した場合を例にしますと、条件に合えば、申請することで、産前産後休暇で健康保険から「出産手当金」をもらい、そのまま育児休業すれば、原則子供が1歳になるまで雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。子供が1歳のときに入園できる保育園が見つからないなどの場合は、育児休業給付金の延長ができ、平成29年10月より子供が2歳になる日前までの延長ができます。育児休業給付金の支給期間を延長するには延長の手続きが必要で、育児休業給付金支給申請書を提出する際に、添付書類として、保育園入所不承諾通知書と保育園入所届出書をつけて出しますが、注意したいことは、保育園入園の手続きが、子供が1歳になる誕生日前日までに完了させておく必要があります。1歳の誕生日よりも遅れて入園申請をしてしまうと育児休業給付の延長が認められません。現在よく聞かれる「働き方改革」、子育てしながら働らくことができる日本であってほしいもんです。何か労働問題等でお悩み等ございましたら、愛知総合法律事務所までご相談ください。

ブログ執筆者:社会保険労務士 原田聡
2018年02月09日

派遣社員と失業手当

正社員にアルバイトといろいろある雇用形態の一つに派遣社員があります。派遣社員は、派遣元会社と雇用契約を結びますが、実際には派遣先会社で働きます。今日は、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
さて、今回のブログは「派遣社員と失業手当」について。派遣社員も正社員と同じように条件を満たせば、雇用保険に加入することになります。そうなると、派遣社員であっても、失業手当を受けることは可能ということになります。派遣社員の場合、退職するタイミングによって、自己都合退職なのか会社都合退職なのかが変わることがありますので、注意が必要です。
具体的には、派遣期間が満了してすぐに退職すると、それは「自己都合退職」となりますので、失業手当を受けるまでに3ヶ月の給付制限が付きますが、派遣期間満了後に次ぎの派遣先を希望したものの1ヶ月(待期期間)経過しても紹介されないことで退職すると、それは「会社都合退職」となり、特定理由離職者として、3ヶ月の給付制限がつかないことになります。つまり、会社都合退職のほうが早く失業手当がもらえることになります。
とはいえ、派遣社員が失業手当をもらうにあたり、特定理由離職者になったとしても最低1ヶ月は無収入状態になってしまいますので、退職した後の計画を立てておくことが大事ですね。
労働・労務に関するお悩みがございましたら、愛知総合法律事務所までご相談ください。

2018年02月07日

派遣労働者と労災保険の適用

派遣労働者が派遣先で労災事故に遭った場合、労災保険の適用は派遣元と派遣先のどちらになるのでしょうか。今日は、弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
さて、今回のブログは「派遣労働者と労災保険の適用」について。
労災保険は、常用労働者、アルバイト、パート等名称や雇用形態に関わらず、労働の対価として賃金を受ける全ての労働者を原則として対象としています。労働者を対象としていますので、社長などは特別加入をしていないと労災保険は適用されないことになります。
では、派遣労働者はどうでしょうか。派遣労働者は、派遣元事業主とは雇用関係、派遣先とは、指揮命令関係にありますが、派遣労働者が、派遣先で労災事故に遭った場合、労災保険の適用は派遣元になります。
ここで注意しておきたいことは、この派遣先での労働が、請負契約になっている場合です。請負契約とは、簡単に言えば、依頼者から受けた仕事に対して、その完成の対価として依頼を受けた者が報酬を受け取る契約のことで、依頼する者と依頼される者との間に使用従属関係はありません。中には、自分が会社と雇用契約を結んでいるのか、請負契約を結んでいるのかよくわからないまま仕事に従事されてしまっている方が見えますが、請負契約の場合は、雇用関係にない以上、労災保険の適用はありません。請負契約なのか雇用契約なのかは、実際の労働内容がどうなのかをみることが必要です。
請負契約を結びながら、実際には会社等依頼者する側が仕事内容の指示を行ったり、労働者等依頼される側の労働時間等を管理したりしていると、もしかしら「偽装請負」なんてこともあります。偽装請負ともなれば、労災適用の可能性が出てきます。なにか困りごとがございましたら、愛知総合法律事務所までご相談ください。

ブログ執筆者:
社会保険労務士 原田聡

2018年02月01日
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