弁護士/司法書士/社会保険労務士BLOG

2017年2月

事業譲渡と労働者の地位

弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。
原子力事業での数千億の減損損失を出した国内大手家電企業、今後どのような舵取りをしていくのか関心がありますが、今回は、事業譲渡をした場合の従業員の雇用契約について。
事業譲渡を簡単に例をあげると、会社の支店の一部であったり、会社そのものを他の会社に移転することです。事業譲渡をする場合、譲渡会社と譲受会社との合意した内容によって、権利義務が移転するものとされていますが、では譲渡会社にいる従業員の地位も会社間で合意がされれば自動的に移動してしまうのでしょうか。民法第625条第1項には「使用者は、労働者の承諾を受けなければ、その権利を第三者に譲り渡すことができない」と規定されていることから、労働者にはそのまま会社に残ることもできるし、移転することもできるということになります。会社に残った場合は、業績悪化等による整理解雇の可能性とか考えて慎重に決断したいし、移転となれば、譲渡会社出身と譲受会社出身との間ので労働条件の格差が気になるところです。また、移転を拒否した場合、そのことを理由に会社側は解雇可能かどうかですが、労働契約法第16条には「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効にする」と規定されていますので注意が必要です。今回は簡単にご紹介しました。

2017年02月24日

定期健康診断

弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。今日は「定期健康診断」についてです。会社にとって欠かせない資源の一つが人。「人材」は「人財」とよく言われるように会社にとって財産です。そんな財産を守るため、労働安全衛生法では、労働者の健康診断について規定しています。健康診断は、大きく一般健康診断と特殊健康診断(有害業務従事者を対象としたもの)とに分けられます。一般健康診断は、雇入時の健康診断や定期健康診断等について規定しています。従業員に対して毎年実施される健康診断は、この安全衛生法での規定を根拠に実施されているものです。定期健康診断は実施しなければならない会社の義務ですので、もしも定期健康診断を実施していない会社があったら問題です。この定期健康診断ですが、全従業員を対象としたものではありません。常時使用する労働者は受診の対象者になりますが、アルバイトやパート等について一定の条件があり全員が対象ではありません。健康診断での検査項目も定められています。また、よく問われるのが健康診断にかかる費用負担は会社か個人かですが、通達によれば、会社の健康診断の実施義務を課している以上、会社が負担すべきものとされています。その他、健康診断にかかった時間について賃金が発生するのかしないのかですが、この部分は会社の就業規則等でどのように規定されているかによりますが、従業員の健康あっての会社の繁栄と考えれば・・・いかがでしょうか。ついこないだいった健康診断の結果が戻ってきました。健康は大事だなと思う今日この頃です。

2017年02月09日

うつ病と労災保険

弁護士法人愛知総合法律事務所の社会保険労務士の原田聡です。今回は「うつ病と労災」についてです。長時間労働にパワハラ、仕事量は質の変化等、仕事によるストレスにより「うつ病」になってしまった場合、場合によっては、労災に該当します。うつ病等精神障害の労災認定は、①発病した精神障害が認定基準の対象となる障害かどうか②その発病の6ヶ月程度の間に、業務による強い心理的負荷があったかどうか③業務以外の心理的負荷やそもそもの持病による発病ではないことを基準に判断していくことになります。うつ病などの場合、いつ発病したのかが重要なカギになることがあります。発病の日によっては、業務での心理的負荷があったことを判断する期間が変わるからです。うつ病等による労災の場合、申請してから労災かどうか判断されるまで時間がかかります。会社を休職中ともなれば得れる収入もなくとても困ります。こんな場合は、まずは健康保険の傷病手当金の申請をしておきます。労災の認定がおりれば、傷病手当金としてもらった金額を返還する必要がありますが、労災の認定がおりなければ、そのまま傷病手当金をもらうことになります。労災の認定に不服がある場合には、労働者災害補償審査官に対して、決定の通知を受けてから60日以内に審査請求をすることができます。さらにその審査請求での決定についても不服があれば、労働保険審査会に対して再審査請求することもできます。お悩みごとのあるかた、まずはご相談ください。

2017年02月08日
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