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社会保険労務士

「労働災害(略して労災)について」

 本日は、まじめな内容をお届けしたいと思います。m(_ _)m

労働者災害、略して『労災』には、業務災害通勤災害の2つがあり、労働者災害補償保険法で定められている給付内容については、業務災害、通勤災害ともほぼ同じで、以下の1~7となります。

1.療養(補償)給付、2.休業(補償)給付、3.障害(補償)給付、4.遺族(補償)給付、5.葬祭料(通勤災害では葬祭給付)、6.傷病(補償)年金、7.介護(補償)給付

※上記のように、(補償)という言葉がつくのが、業務災害の場合です。(例えば、同じ療養に対する給付でも、業務災害では療養補償給付、通勤災害では療養給付といいます。)業務災害の給付に(補償)という言葉がつく理由は、業務上の災害においては、労働基準法上の災害補償責任があるからです。(もともと、労働基準法に明記されていた内容が、労働者災害補償保険法として独立したのです☆)

 

給付内容については、ほぼ同じ内容ですが、業務災害と通勤災害の大きな違いとして、下記の①~④が上げられます。

①一部負担金について

通勤災害では、療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める者を除く)から、200円を超えない範囲内で厚生労働省令で定める額を一部負担金として徴収する。(業務災害の場合は無料です。)ちなみに、200円を病院窓口で支払うのではなく、最初の休業給付の額から200円を引かれます。つまり、休業給付を受けない人は、200円を引かれることはありません。

 

②待機期間中の休業補償について

 業務上災害による休業の場合、待機期間3日間について、事業主が労働基準法上に基づく休業補償義務を負うのに対し、通勤災害による休業の場合は、待機期間3日間について、事業主の休業補償義務はない。

 

③解雇制限及び打打切補償について

労働基準法に基づく解雇制限は、『業務上の傷病による休業をしている期間及びその後30日間』が対象であるため、通勤災害の場合は、解雇制限はない。したがって、傷病年金の支給が、傷病補償年金の場合のように療養の開始後3年を経過した日、又はその日後において打切補償に影響を及ぼす余地はない。

 

④特別加入者の通勤災害

特別加入者のうち、一定のものについては、通勤の実態が明確ではないこと等の理由から、通勤災害に関しては労災保険を適用しないものとされている。(例えば、個人タクシー業者、個人貨物運送者、個人水産業者、特定農作業従事者、指定農業機械作業従事者など)

 

一般に労災といっても、業務上の場合と通勤の場合でこのような違いがあるのです。では、具体的にどのケースが業務上で、どのケースが通勤となるのかについては、次回お話させていただきます。m(_ _)m(長谷川)

2011年01月31日
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